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整骨院・整体院の儲かる仕組み|お金の流れと利益が残る院をつくる6つのステップ

松澤 大輔執筆者松澤 大輔株式会社ネイク 代表取締役
電卓とノートで計算する手元

整骨院・整体院は儲かるのか。開業を考えている先生からも、すでに院を経営している院長からも、よくいただく質問です。

答えから言うと、整骨院・整体院は、儲かる院と儲からない院にはっきり分かれる業種です。分かれ目になるのは、施術の腕より、お金がどこから入り、どこへ出ていき、いくら残るのかという流れを、院長が自分で設計できているかどうかです。同じ地域で、同じくらいの技術を持つ院でも、お金の流れの設計が違えば、手元に残るお金は大きく変わります。

私は柔道整復師として3年間施術に携わったあと、マーケティング支援会社のコンサルタントとして9年間、93社の集客と売上づくりを支援してきました。施術する側と、経営を支える側の両方から院を見てきて分かったのは、儲かっている院長ほど、自院の数字を細かく把握しているということです。

この記事では、厚生労働省の調査をもとに、整骨院・整体院のお金の流れを「入るお金」「出るお金」「残るお金」の3つに分けて説明します。そのうえで、利益が残る院をつくる6つのステップを、そのまま実践できる形でお伝えします。

それでは、見ていきましょう。

整骨院・整体院の儲かる仕組みの全体像

整骨院・整体院の儲かる仕組みは、「入るお金(売上)−出るお金(費用)=残るお金(利益)」の1つの式で表せます。儲かる院をつくるとは、この式の3つの数字を、自分の手で動かせる状態にすることです。

整骨院・整体院の儲かる仕組みの図。入るお金(売上)から出るお金(費用)を引いたものが残るお金(利益)
整骨院・整体院の儲かる仕組み

3つの数字は、それぞれ次のように分けて考えます。

  • 入るお金:保険の施術、自費の施術、交通事故・労災などの3つの柱から入る売上
  • 出るお金:給与、家賃、消耗品、広告など、院を続けるためにかかる費用
  • 残るお金:売上から費用を引いて、院長の手元に残る利益

この記事で使う数字は、厚生労働省が2025年に初めて行った「柔道整復施術所経営実態調査」のものです。整体院だけを対象にした公的な調査はないため、整骨院の数字をもとに説明し、整体院との違いはその都度お伝えします。

入るお金の3つの柱

整骨院の売上は、保険の施術、自費の施術、交通事故・労災などの3つの柱でできています。個人で経営している院の売上の平均は、年に約876万円です。

個人の院の売上の内訳の図。保険の施術640万円、自費の施術266万円、交通事故・労災など135万円
個人の院の売上の内訳(出典:厚生労働省「令和7年度柔道整復施術所経営実態調査」。令和6年度。項目ごとに回答した院の平均のため、足しても売上の平均とは一致しない)

3つの柱は、お金が入る仕組みも、院長が工夫できる余地も、まったく違います。1つずつ見ていきましょう。

① 保険の施術

保険の施術は、患者さんが窓口で払う一部負担金と、院が健康保険に請求する療養費の2つから売上ができています。患者さんが払うのは原則として料金の1割から3割で、残りは院が健康保険組合や市区町村などの保険者に請求し、あとから振り込まれます。この仕組みを「受領委任」と呼びます。

保険が使えるのは、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷(肉ばなれなど)のように、原因がはっきりした急なけがや、それに近いけがの施術に限られます。骨折と脱臼は、応急手当のあとは医師の同意が必要です。慢性的な肩こりや腰痛、疲れをとるための施術には、保険は使えません。

保険の施術で押さえておきたいのは、料金を国が決めているため、院の努力で単価を上げられないということです。そして、その保険の売上は、業界全体で小さくなり続けています。

1院あたりの保険の売上の図。2014年度の約908万円から2022年度の約588万円へ、8年で約35%減った
1院あたりの保険の売上(出典:厚生労働省「柔道整復療養費の令和8年度改定の基本的な考え方(案)」の療養費の総額を、受領委任施術所の数で割って弊社で算出)

柔道整復の療養費の総額は、2014年度から2022年度までの8年で28.2%減りました。一方で院の数は増えたため、1院あたりにならすと約35%の減少です。保険の施術だけで売上を支える経営は、年を追うごとに難しくなっています。

なお、整体院では保険は使えません。整体院の売上は、すべて次の自費の施術から生まれます。

② 自費の施術

自費の施術は、料金を院が自分で決められる柱です。保険の対象にならない慢性的な痛みや、姿勢の改善、体のメンテナンスなどの施術が、自費の施術にあたります。

厚生労働省の調査では、自費の施術を行っている整骨院は全体の76.2%にのぼります。令和5年度から6年度にかけて、保険の売上が5.8%減った一方で、自費の売上は5.9%増えました。売上に占める自費の割合は、個人の院で約26%、法人の院で約39%です(弊社で算出)。

整骨院の売上の柱は、保険から自費へ移りつつあります。料金を自分で決められるということは、提供する価値に見合った価格をつけられるということです。儲かる仕組みをつくるうえで、自費の施術は最も大きな役割を担います。

③ 交通事故・労災など

交通事故・労災などは、自動車の保険(自賠責保険や任意保険)や労災保険から施術料が支払われる柱です。交通事故のけがの施術では、多くの場合、患者さんの窓口での負担はなく、院が保険会社に施術料を請求します。個人の院の平均で、年に約135万円の売上です。

交通事故の施術は、整形外科との連携、保険会社とのやりとり、書類の作成など、正しく進めるための事務が欠かせません。交通事故で困っている人を救うことを前提に取り組む柱です。売上を増やす目的で患者さんを集めるのはやめましょう。くわしくは、整骨院の交通事故の患者さんの集客方法で説明しています。

出るお金の内訳

個人の院の費用は、年に約582万円です。そのうち最も大きいのは、スタッフの給与にあたる給与費です。

個人の院の費用の内訳の図。給与費327万円、その他の運営費159万円、家賃などの設備関係費134万円、減価償却費81万円、施術材料・消耗品76万円、委託費60万円
個人の院の費用の内訳(出典:厚生労働省「令和7年度柔道整復施術所経営実態調査」。令和6年度。項目ごとに回答した院の平均)

費用を見るときは、患者さんの数に関係なく毎月かかる「固定費」と、患者さんの数に合わせて増える「変動費」に分けて考えましょう。

費用の種類 主な項目 特徴
固定費 給与、家賃、機器のリース、通信費 患者さんが少ない月も同じ金額が出ていく
変動費 施術材料、消耗品、広告 患者さんの数や施策に合わせて増減できる

院の経営を苦しくするのは、固定費の重さです。患者さんが少ない月でも、家賃と給与は必ず出ていくからです。個人の院の平均では、家賃などの設備関係費が売上の約15%、給与費が約37%を占めます(弊社で算出)。スタッフを雇ったり、広い物件に移ったりするときは、売上がその固定費に見合っているかを必ず計算してください。

残るお金の目安

整骨院の利益率は、平均で29.0%、中央値で38.7%です。利益率とは、売上のうち手元に残るお金の割合です。中央値のほうが高いのは、利益率が40%から60%の院が最も多い一方で、一部に大きな赤字の院があり、平均を押し下げているからです。

ただし、利益率の高さと、院長の暮らしの豊かさは別の話です。個人の院の利益(損益差額)は、年に約277.5万円で、月にすると約23.1万円です。院長の生活費や税金、社会保険料は、ここからまかなうことになります。

個人の院長の手元に残るお金の図。個人の院長の手元は月約23.1万円、勤務する柔道整復師の月給は月約24.4万円
個人の院長の手元に残るお金(出典:厚生労働省「令和7年度柔道整復施術所経営実態調査」の令和6年度の数字から弊社で算出。損益差額は税金や社会保険料を払う前の金額で、月給には賞与を含まない)

同じ調査で、個人の院に勤める常勤の柔道整復師の月給の平均は、約24.4万円でした。平均で見ると、個人で開業した院長の手元に残るお金は、勤務する柔道整復師の月給とほぼ同じ水準です。

この数字が示しているのは、整骨院・整体院の儲けは、開業したあとのお金の流れの設計で決まるということです。平均の院と同じやり方を続けていれば、平均の数字に近づいていきます。逆に言えば、お金の流れを設計し直した院だけが、平均を大きく超える利益を手にできます。業界全体の経営の数字は、整骨院・接骨院の経営データ集にまとめています。

利益が残る院をつくる6つのステップ

ここからは、入るお金を増やし、出るお金を整え、残るお金を大きくするための6つのステップを説明します。上から順に進めてください。

利益が残る院をつくる6つのステップの図。自院のお金の流れを数字で把握する、保険だけに頼らない収入の柱を作る、1時間あたりの売上で単価を決める、通い続けてもらう仕組みを作る、広告に頼らない集客の資産を作る、固定費を売上に合わせて決める
利益が残る院をつくる6つのステップ

① 自院のお金の流れを数字で把握する

まず、自院のお金の流れを、月に1回、次の表の形で書き出しましょう。儲かる仕組みは、今の数字が分からないと作れないからです。会計ソフトや税理士から届く数字も、この記事の3つの分け方に並べ直して見ることが大切です。

分け方 書き出す数字
入るお金 保険の施術、自費の施術、交通事故・労災などの売上を、柱ごとに
出るお金 固定費と変動費を分けて、それぞれの合計
残るお金 入るお金から出るお金を引いた金額と、売上に占める割合
患者さんの数 新しい患者さんの数、延べの来院数、2回目の来院率

3か月分を並べると、どの柱が増えていて、どの柱が減っているのか、どの費用が重いのかが見えてきます。売上を「新しい患者さんの数×通う回数×単価」に分けて伸ばす考え方は、整骨院・整体院を繁盛させるにはでくわしく説明しています。

② 保険だけに頼らない収入の柱を作る

売上に占める自費の割合を、まずは3割まで高めることを目標にしましょう。保険の売上は国の制度で決まり、院の努力では増やしにくいからです。個人の院の平均は約26%、法人の院の平均は約39%なので、3割はまず届かせたい水準です。

自費のメニューは、ターゲットとなる患者さんの悩み、自院の強み、競合との違いから、価値の中身を組み立てて作ってください。作り方は、整骨院の自費メニューの作り方で7つのステップに分けて説明しています。整体院の場合は売上のすべてが自費なので、このステップは、今のメニューが価値に見合った料金になっているかを見直す作業になります。

③ 1時間あたりの売上で単価を決める

料金を決めるときは、1回あたりの料金と一緒に、1時間あたりの売上を必ず計算してください。1人で施術する院では、施術できる時間に上限があり、時間あたりの売上が、そのまま売上の天井になるからです。

1時間あたりの売上で比べる図。30分5,000円は1時間あたり10,000円、60分6,000円は1時間あたり6,000円
1時間あたりの売上で比べる(料金と時間は例)

たとえば、30分で5,000円のメニューは、1時間あたり10,000円です。60分で6,000円のメニューは、1回の料金は高く見えても、1時間あたりでは6,000円にとどまります。1日8時間、月22日施術する院長1人の院なら、1時間あたりの売上の違いは、満員の月で約70万円の差になります。

単価を上げるときの大前提は、その単価に見合う価値を提供できているかどうかです。価値の中身を変えずに、伝え方だけで単価を上げるのはやめましょう。単価の考え方は整骨院・整体院の単価アップの方法と整骨院・整体院の価格設定の方法で説明しています。

④ 通い続けてもらう仕組みを作る

はじめて来院した患者さんのうち、2回目も来院する人の割合を、5割から8割にすることを目標にしましょう。新しい患者さんを1人集めるには、広告や時間などの費用がかかりますが、通い続けてもらう患者さんには、その費用がほとんどかからないからです。

月に30人の新しい患者さんが来る院で、2回目に来る人が3割なら9人、8割なら24人です。集客の努力は同じでも、通い続けてもらう仕組みがあるかどうかで、院に残る売上は2倍以上変わります。初回の最後に、今の状態、原因、目標、通う回数の目安、自宅でやることを伝え、次の予約をその場で一緒に決めましょう。具体的なやり方は、整骨院・整体院のリピート率の目安と上げ方で説明しています。

⑤ 広告に頼らない集客の資産を作る

広告費は、売上の5%から10%におさめましょう。広告は出している間しか患者さんを連れてこないうえに、広告費は利益を直接けずるからです。広告に頼る割合が大きい院ほど、売上が増えても手元にお金が残りません。

広告費をおさえながら新しい患者さんを集め続けるには、ホームページ、Googleマップ、口コミのように、一度作れば積み上がっていく集客の資産を育ててください。私が担当したアスリートゴリラ鍼灸接骨院では、17年前に作ったホームページを作り直し、ホームページ経由の新しい予約が月25件から月64件へ、約2.6倍に増えました。広告費の考え方は整体院・整骨院の広告費はいくらが適正か、Googleマップでの集客は整骨院・整体院のMEO対策で説明しています。

⑥ 固定費を売上に合わせて決める

家賃や給与などの固定費を増やす前に、増える金額を何回分の来院で取り戻せるかを計算してください。固定費は、一度増やすと簡単には減らせないからです。

たとえば、家賃が月10万円高い物件に移るなら、単価5,000円の院では、月に20回分の来院を新しく増やす必要があります。スタッフを1人雇い、給与と社会保険料で月30万円かかるなら、月に60回分です。その来院数を、今の集客で無理なく増やせるかどうかを見てから決めましょう。目安として、平均の院では、家賃などの設備関係費は売上の約15%、給与費は約37%です。この割合を大きく超える固定費は、利益を残りにくくします。

整骨院・整体院の儲かる仕組みについてよくいただく質問

整骨院と整体院では、どちらが儲かりますか?

儲かるかどうかを決めるのは、業態よりもお金の流れの設計です。整骨院は保険の施術という柱を持てる一方で、その柱は年々小さくなっています。整体院は保険を使えない代わりに、最初から価値に見合った料金を自分で決めて売上をつくれます。どちらの業態でも、自費の施術の価値と料金を磨くことが、儲かる仕組みの中心になります。

1日に何人来院すれば儲かりますか?

「(1か月の費用+手元に残したい金額)÷単価÷営業日数」で、必要な1日の来院数を計算できます。たとえば、1か月の費用が50万円、手元に残したい金額が40万円、単価が5,000円、営業日数が22日なら、90万円÷5,000円÷22日で、1日に約8人の来院が必要です。単価が7,000円なら約6人で届きます。自院の数字を入れて計算してみましょう。

保険の施術はやめたほうがいいですか?

急なけがで困っている人がいる限り、保険の施術には役割があります。大切なのは、保険の施術をやめるかどうかより、売上の何割を保険に頼っているかです。保険の売上は国の制度で決まるため、頼る割合が大きいほど、制度が変わったときの影響を大きく受けます。ステップ②のとおり、自費の割合を少しずつ高めていきましょう。

交通事故の施術は儲かりますか?

交通事故の施術は、困っている人を救うための柱として考えましょう。交通事故の施術では、整形外科との連携や保険会社とのやりとり、正しい書類の作成が欠かせず、通う回数や期間も保険会社と確認しながら進めます。売上を増やす目的で交通事故の患者さんを集めるのはやめましょう。

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柔道整復師歴3年、コンサルタント歴9年、93社を支援した代表が全案件を担当

柔道整復師免許
平成24年4月3日に柔道整復師免許を取得

クライアント事例|東京都足立区アスリートゴリラ鍼灸接骨院

クライアント事例|岩手県矢巾町がじゅまる整体院

代表の松澤は、柔道整復師(平成24年取得)として接骨院で3年間、施術の現場に立ちました。その後、マーケティング支援会社のコンサルタントとして9年間、93社の集客を支援し、年間延べ4,000件のコンテンツ制作を支援してきました。セミナーの登壇は30回以上です。施術の現場とマーケティングの両方を知る代表が、最初のご相談から支援の最後まで、直接担当します。

AI検索における1位推薦率77.1%、新規予約は約2.6倍

07_AI順位別の推薦率

予約数_7月と8月

支援した東京都足立区の接骨院は、AIに症状ごとに院を探す質問をした188件のうち145件で1番目に推薦され、ホームページ経由の新規予約が、作り直す前の月25件から月64件へと約2.6倍に増えました。狙った98のキーワードのうち、1位は0件から21件に、10位以内は13件から65件に増えています。

口コミ37件でGoogleマップ1位、広告費0円で新規集客は月30件以上

Googleマップで「矢巾 整体院」と検索した画面。がじゅまる整体院が★4.6・口コミ37件で一覧の1番目に表示され、★4.9・口コミ177件の院より上にある

岩手県矢巾町の整体院は、口コミ37件で、口コミが177件の院を抑えて「矢巾 整体院」のGoogleマップで1番目に表示されています。近隣7エリアで上位に表示され、広告費0円で、新規集客は月30件以上です。

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