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整骨院・整体院を繁盛させるには?売上を約1.7倍にするための方程式

松澤 大輔執筆者松澤 大輔株式会社ネイク 代表取締役
机に向かい、電卓とノートで数字を計算している様子

予約がいっぱいで、患者さんが通い続けてくれて、院長は施術と経営に集中できている。そんな繁盛している院と、自分の院は何が違うのか。整骨院・整体院の院長なら、一度は考えたことがあるはずです。

結論から言えば、整骨院・整体院を繁盛させるには、「新しい患者さんの数」「1人が通う回数」「1回あたりの単価」の3つを、同時に少しずつ伸ばすことです。新しい患者さんを集めることだけに力を入れても、院は繁盛しません。

3つを2割ずつ伸ばすだけで、売上は約1.7倍になります。この記事では、繁盛の仕組みを数字で示したうえで、繁盛している院に共通する5つの条件と、どこから手をつければよいかをお伝えします。

それでは、見ていきましょう。

整骨院・整体院を繁盛させるための方程式

まずは、院の売上が何で決まるのかを確認します。

売上は、新しい患者さんの数×通う回数×単価

院の売上は、「新しい患者さんの数」「1人が通う回数」「1回あたりの単価」の掛け算で決まります。

整骨院・整体院の売上の方程式。新しい患者さんの数(見つけてもらい、選ばれる)×1人が通う回数(通い続けてもらう)×1回あたりの単価(価値に見合う料金)=院の売上
売上は、3つの数字の掛け算で決まる

正確には、1か月に来た新しい患者さんが、通い終えるまでに生む売上を表した式です。毎月同じくらいの新しい患者さんが来ている院では、これがそのまま1か月の売上の目安になります。

多くの院は、売上が足りないと感じると、新しい患者さんを増やすことだけを考えます。しかし、3つは掛け算です。新しい患者さんが増えても、通う回数が減ったり、単価が下がったりすれば、売上は増えません。割引で新しい患者さんを集めて、2回目に来てもらえない院は、まさにこの状態です。

3つを2割ずつ伸ばすと、売上は約1.7倍

掛け算の良いところは、1つずつを大きく伸ばさなくても、全体が大きく伸びることです。例として計算してみます。

3つを2割ずつ伸ばすと、売上は約1.7倍。新しい患者さんを月20人から24人に、1人が通う回数を5回から6回に、1回あたりの単価を5,000円から6,000円に伸ばすと、1か月に来た新しい患者さんから生まれる売上は、50万円から86.4万円になる。数字は説明のための例
どれも2割ずつの改善で、売上は約1.7倍になる
項目 今 2割ずつ伸ばす
新しい患者さん 月20人 月24人
1人が通う回数 5回 6回
1回あたりの単価 5,000円 6,000円
新しい患者さんから生まれる売上 50万円 86.4万円

新しい患者さんだけで売上を約1.7倍にしようとすれば、新しい患者さんを月20人から月35人に増やす必要があります。それよりも、3つをそれぞれ2割ずつ伸ばすほうが、はるかに現実的です。繁盛している院は、この3つを同時に伸ばしています。

伸ばす数字の優先順位の決め方

3つの数字を同時に伸ばすといっても、手をつける順番は決めておきましょう。優先順位を決めるには、まず自院の3つの数字を出す必要があります。次の3つの手順で進めてください。予約システムかカルテがあれば、30分ほどでできます。

手順1 自院の3つの数字を出す

数字 出し方 例
新しい患者さんの数 先月、初めて来院した人を数える 月20人
1人が通う回数 3か月前に初めて来院した人を10人選び、その後の来院回数を数えて平均する 平均5回
1回あたりの単価 先月の売上を、先月の延べ来院数で割る 5,000円

手順2 どれだけ伸ばすかの目安を決める

伸ばす割合に、決まりはありません。この記事で2割を例にしているのは、どの数字も、無理なく届きやすい幅だからです。

大切なのは、1つの数字を大きく伸ばすことではなく、3つをそろって少しずつ伸ばすことです。理由は、売上が足し算ではなく掛け算で決まるからです。

  • 1つだけを2割伸ばしても、売上は1.2倍にしかなりません
  • 3つを2割ずつ伸ばすと、1.2×1.2×1.2で約1.7倍になります。伸びた分どうしが掛け合わさるので、足し算で考える1.6倍よりも大きくなります
  • 反対に、1つの数字が弱いままだと、ほかの2つをどれだけ伸ばしても、その弱い数字に全体が引っ張られます

3つを同じ割合で伸ばしたときの売上は、次のとおりです。

3つを伸ばす割合 売上
1割ずつ 約1.3倍
2割ずつ 約1.7倍
3割ずつ 約2.2倍

最初は、1〜2割を目安にしましょう。例なら、2割ずつで、新しい患者さんは月24人、通う回数は6回、単価は6,000円が目安です。

手順3 いちばん弱い数字を見つける

3つの数字のうち、基準に対していちばん届いていない数字から伸ばしましょう。掛け算では、いちばん弱い数字が全体の足を引っ張っているからです。数字ごとに次の基準と比べ、「実際の数字÷基準」で届いている割合を出します。

数字 比べる基準 例 届いている割合
新しい患者さんの数 院長が目標にしている、月の新しい患者さんの数 目標30人に対して、実際は20人 約67%
1人が通う回数 初回に患者さんへ提案している、通院の計画の回数 計画8回に対して、実際は平均5回 約63%
1回あたりの単価 料金表に載せている、通常の料金 通常6,000円に対して、実際は平均5,000円 約83%

この例では、届いている割合がいちばん低い「1人が通う回数」から伸ばします。単価が通常の料金より低いのは、割引や回数券で下がっているためで、単価の見直しは2番目になります。

いちばん弱い数字が決まったら、次の章の条件のうち、その数字を伸ばすものから取り組んでください。

いちばん弱い数字 取り組む条件
新しい患者さんの数 条件1 差別化の軸、条件2 自分で探す人の入口
1人が通う回数 条件3 通い続けてもらう仕組み
1回あたりの単価 条件4 価値に見合う単価

どの数字に取り組むにしても、院長に考える時間がなければ進みません。経営を考える時間が週に1時間もない場合は、条件5を同時に進めてください。

繁盛している整骨院・整体院に共通する5つの条件

3つの数字を同時に伸ばしている院には、共通する5つの条件があります。

繁盛している院に共通する5つの条件。1 差別化の軸がはっきりしている(伸びるもの:新しい患者さんの数)、2 自分で探す人の入口がある(新しい患者さんの数)、3 通い続けてもらう仕組みがある(1人が通う回数)、4 価値に見合う単価になっている(1回あたりの単価)、5 院長が経営に使える時間がある(3つすべて)
5つの条件が、3つの数字をそれぞれ伸ばす

条件1 はっきりした差別化の軸

繁盛している院は、「誰の、どんな悩みを、どう解決する院なのか」がはっきりしています。

軸がはっきりすると、選ばれ、通い続けてもらえる。院の軸「部活でけがをした中高生の、競技への復帰」を見た患者さんが「自分と同じ悩みの人をたくさん見てきた院だ」と感じ、選ばれる(新しい患者さんの数が伸びる)、通い続ける(通う回数が伸びる)
悩みを分かってくれる院は、選ばれ、通い続けてもらえる

これが条件だと言える理由は、軸が方程式の2つの数字を同時に伸ばすからです。軸がはっきりしていると、その悩みを持つ人から「この院でなければならない」と選ばれ、新しい患者さんの数が伸びます。さらに、自分の悩みを分かってくれる院だと感じた人は、通院の提案にも納得しやすく、通う回数も伸びます。反対に、軸のない院は、料金や近さで比べられ、2つの数字がどちらも伸びません。

今日からできること

  • 直近3か月の新しい患者さんの悩みを書き出し、多い順に並べる
  • 院長の経歴や経験の中から、上位の悩みに役立つものを選ぶ
  • 「誰の、何を、なぜこの院か」を一文にまとめ、ホームページのトップとGoogleマップの説明文に書く

差別化の軸の決め方は、整骨院・整体院の差別化戦略で、手順を追って解説しています。

条件2 自分で探す人の入口

繁盛している院は、悩みを持つ人が自分で調べたときに見つかる入口を持っています。

自分で探す人の3つの入口。SEO(「地域名+悩み」で検索)、MEO(Googleマップで近くの院を探す)、AI検索(ChatGPTやGoogleのAIに質問)から、院のホームページ(悩みのページ、院の考え方、施術の中身)へ。自分で探した人は、悩みを解決する意欲が高く、通う回数も伸びやすい
3つの入口から、院のホームページにたどり着く

これが条件だと言える理由は、入口によって来る人の質が変わるからです。広告やポータルサイトで、なんとなく目にして来た人は、料金や近さで院を選びがちです。一方、自分で悩みを検索して、院の考え方を読んでから来た人は、悩みを解決したい意欲が高く、通う回数も伸びやすくなります。しかも、悩みのページは、一度作れば広告費をかけずに人を集め続けます。

今日からできること

  • Googleビジネスプロフィールのカテゴリ、施術時間、写真、説明文を、正確に埋める
  • 条件1で決めた軸に当てはまる悩みを3つ選び、悩みごとのページを1つずつ作る
  • ChatGPTに「〇〇駅の近くで、〇〇の悩みを相談できる院は?」と聞き、院の名前が出てくるかを確認する

悩みのページで新規予約を約2.6倍にした事例は、整骨院・整体院の集客成功事例で紹介しています。

条件3 通い続けてもらう仕組み

繁盛している院は、院長の気合いや人柄に頼らず、誰がやっても同じように伝わる「仕組み」で、通い続けてもらっています。

通い続けてもらう仕組みの流れ。初回の施術後(体の状態、通い方、費用の目安を説明する)、初回の会計時(納得してもらえたら、2回目の予約を決める)、初回の翌日〜2日後(体の調子をたずねる連絡を送る)、2回目の予約の前日(予約の確認の連絡を送る)、2回目の来院時(前回からの体の変化を一緒に確認する)
初回から2回目までを、決まった流れで支える

これが条件だと言える理由は、通う回数が、患者さんの意思だけでは決まらないからです。痛みが和らぐと、人は通う必要を感じなくなります。また、人は思っている以上に早く忘れます。初回に通い方の説明がなく、次の予約も連絡もなければ、悩みを解決したくて来た人でさえ、2回目に来なくなります。仕組みがあれば、院長が忙しい日でも、通う回数を安定して伸ばせます。

今日からできること

  • 初回の最後に伝える内容を、紙1枚の説明書にまとめる
  • 施術の最後に、次の来院日を提案してその場で予約を取ることを、毎回の決まりにする
  • 初回の翌日に送る連絡の文面を、あらかじめ用意しておく

くわしくは、整骨院・整体院で初回荒らしが止まらない原因で解説しています。

条件4 価値に見合う単価

繁盛している院は、安さで選ばれようとせず、提供している価値に見合う単価をつけています。

価値が伝わると、単価に納得してもらえる。検査(体の状態を、根拠をもって確認する)、説明(状態と通い方を、分かる言葉で伝える)、施術(院長の経験にもとづく施術)、計画(いつ、どこまで良くするかの道のり)の中身が見えれば、1回6,000円は、高いではなく妥当になる。金額は説明のための例
料金の中身が見えると、高いではなく妥当だと感じてもらえる

これが条件だと言える理由は、単価が、方程式の中でいちばん院長が直接決められる数字だからです。新しい患者さんの数や通う回数は、患者さんの行動に左右されます。しかし単価は、院長が決めた瞬間に変わります。そして単価が上がれば、同じ人数、同じ回数でも売上が伸びます。

ただし、ただ値上げをすると、患者さんは「高くなった」と感じます。大切なのは、料金の中身を見えるようにすることです。検査、説明、施術、通院の計画まで含めて料金だと伝われば、患者さんは「高い」ではなく「妥当だ」と感じます。

今日からできること

  • 1回の料金に何が含まれているかを、検査、説明、施術、計画に分けて書き出す
  • 書き出した中身を、ホームページの料金のページに載せる
  • 自費の施術は、内容、費用、通う回数の目安をまとめて示す

条件5 院長が経営に使える時間

繁盛している院の院長は、施術だけでなく、経営とマーケティングに使う時間を確保しています。

院長の1週間の時間の使い方。今は施術36時間、事務・予約対応10時間、経営0時間。仕組みを整えた後は、施術36時間、事務・予約対応4時間、経営6時間。時間は説明のための例
事務の時間を減らして、経営の時間を作る

これが条件だと言える理由は、条件1から4を決めるのは、院長しかいないからです。軸を決める、悩みのページを作る、通院の仕組みを作る、単価を見直す。どれも、院長が考えて決めることです。朝から晩まで施術と、予約の電話や事務作業に追われていると、3つの数字を見る時間すらなくなります。

今日からできること

  • 予約の受け付けを、24時間のネット予約にする
  • 初回の翌日の連絡や、お知らせを、LINEの公式アカウントで送る
  • 週に1度、30分だけ、3つの数字を記録して見直す時間を予定に入れる

予約システムの選び方は、整骨院・整体院の予約システムで解説しています。

整骨院・整体院を繁盛させたい院長からよくいただく質問

最後に、よくいただく質問に答えます。

新しい患者さんを増やすのと、通う回数を増やすのでは、どちらが先ですか?

3つの数字のうち、いちばん弱いものから始めてください。

ただし、新しい患者さんがほとんど来ていない場合は、通う回数を伸ばす相手がいません。その場合は、まず条件1と2で、新しい患者さんを増やすことから始めましょう。

単価を上げると、患者さんが離れませんか?

価値が伝わっていないまま値上げをすると、離れる人は出ます。

先に、施術の内容、初回の説明、通院の計画など、患者さんが受け取る価値をはっきり伝えてください。価値が伝わっていれば、料金で院を比べる人は減ります。

1人で院を回していて、時間がありません。

だからこそ、条件5から手をつける価値があります。

ネット予約やLINEの公式アカウントで、予約の受け付けや連絡の手間を減らすだけでも、経営を考える時間が生まれます。

何から始めればいいか、分かりません。

まずは3つの数字を記録し、いちばん弱い数字から手をつけてください。

1つの数字を一気に倍にしようとせず、2割の改善を目標にしましょう。2割の改善を3つの数字で積み重ねれば、売上は約1.7倍になります。

繁盛するまで、どれくらいかかりますか?

取り組む内容によって、効果が出るまでの時間は違います。

初回の説明や次の予約の提案は、翌月から変化が出ることがあります。悩みのページで新しい患者さんを増やす取り組みは、数か月かけて積み上がっていきます。

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会社紹介

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院の3つの数字を一緒に出し、新しい患者さんの数、通う回数、単価のうち、どこから伸ばすべきかを決めます。そのうえで、ホームページ、Googleマップ、AI検索で、選ばれ、通い続けてもらえる仕組みを作ります。

1位推薦率77.1%、新規予約は約2.6倍

07_AI順位別の推薦率

予約数_7月と8月

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