ホームページを作り直すので、キャッチコピーを考えたい。看板やチラシに入れる一文を決めたい。整骨院・整体院の院長から、よくいただく相談です。
キャッチコピーは、院のマーケティングのメッセージそのものであり、成果を生み出すために非常に重要なものです。同じホームページ、同じ施術でも、キャッチコピー次第で新しい患者さんの数は増えることもあれば、減ることもあります。それほど大きな影響を持つ一文です。
私はマーケティング支援会社のコンサルタントとして9年間、93社の集客を支援し、ホームページやチラシなどの紙媒体で反響を取るためのコピーを数多く書いてきました。この記事では、その経験から、成果につながるキャッチコピーの考え方と作り方の6つのステップ、そして整骨院・整体院ならではの守るべきルールをお伝えします。
それでは、見ていきましょう。
整骨院・整体院のキャッチコピーの役割
キャッチコピーの役割は、できるだけ多くの見込み客に「この院は自分のための院だ」と感じてもらうことです。同じ言葉でも、書き方次第で、刺さる人の数は大きく変わります。

- 抽象的なコピー:「あなたの痛みに寄り添います」は、どの院にも当てはまるので、誰にも刺さりません。
- 個別すぎるコピー:「週末のゴルフで右肩を痛めた50代の方へ」は、条件に当てはまる1人にしか刺さりません。
- 本質的なニーズを具体的に捉えたコピー:「夕方になると首が重く、仕事に集中できない方へ」は、同じ悩みを持つ大多数の人に刺さります。
刺さる人の数を分けるのは、年代や性別などの属性の絞り方より、本質的なニーズを具体的に捉えているかどうかです。キャッチコピーは、多くの人が共通して持っているニーズを、具体的な言葉で言い当てたときに、集客を最大化します。
キャッチコピーの材料
キャッチコピーの材料は、「誰に」にあたるニーズと、「何を」にあたる提供価値の2つです。誰に何を届ける院なのかが決まれば、キャッチコピーに書くことも決まります。

ニーズ(誰に)
ニーズとは、患者さんが院に来る理由になる、悩みと望みのことです。
- 悩み:今の暮らしや仕事の中で困っていること
- 望み:悩みが解決したあとに、かなえたいこと
大切なのは、症状の名前の奥にある、本質的なニーズまで掘り下げることです。患者さんが口にする「肩こり」という言葉だけでは、ニーズはまだ見えていません。
| 段階 | 例 |
|---|---|
| 症状の名前 | 肩こり |
| 悩み | 夕方になると首が重くなり、仕事に集中できない |
| 望み | 最後まで集中して仕事を終え、家族との時間を楽しみたい |
「肩こり」の院は地域にいくつもありますが、「夕方になると首が重くなり、仕事に集中できない」人のための院は、患者さんの記憶に残ります。同じ悩みを持つ人が「まさに自分のことだ」と感じる、この具体的な悩みと望みがニーズです。
提供価値(何を)
提供価値とは、院が患者さんに届けられる良いことで、ベネフィットと独自性の2つに分けられます。この2つが、いわゆる院の強みです。
- ベネフィット:患者さんがこの院に通うことで、毎日の何が良くなるか。例「平日21時まで受け付けているので、仕事帰りに通える」
- 独自性:近くの院にはない、この院を選ぶ理由。例「デスクワークの人の首と肩の施術を、10年でのべ3万人行ってきた」
ベネフィットがあっても独自性がなければ、患者さんは近くの別の院を選びます。独自性があってもベネフィットがなければ、患者さんは自分に関係があると感じません。2つがそろって、はじめて「この院を選ぶ理由」になります。
そして、ベネフィットも独自性も、客観的な事実で示してください。「丁寧な施術」「確かな技術」のような主観の言葉は、どの院も使っていて、選ぶ理由にならないからです。施術してきた人数、経験年数、受付時間のように、誰が見ても同じ意味に受け取れる事実で打ち出しましょう。強みの見つけ方は、整骨院・整体院の差別化戦略でも説明しています。
キャッチコピーをつくる6つのステップ
ここからは、材料を集めてキャッチコピーに仕上げるまでの6つのステップを説明します。上から順に進めてください。

① 理想に近い患者さんを1人選ぶ
いま通っている患者さんの中から、院にとって特に理想に近い人を1人選びましょう。実在する1人を選ぶと、その人の仕事や暮らしの場面まで具体的に分かるので、本質的なニーズを見つけられるからです。
理想に近い患者さんとは、次のような人です。
- 院の強みが最も生きる悩みで来院した人
- 通い続けて、悩みが良い方向に向かった人
- 自費のメニューも含めて、院の施術に価値を感じてくれている人
- 同じような人にもっと来てほしいと、院長が心から思える人
1人を選ぶのは、ニーズを見つけるための手段です。できあがったキャッチコピーは、その1人と同じニーズを持つ多くの人に向けて使います。
② 患者さんの事実からニーズを抽出する
選んだ患者さんについて、院にある記録と会話から事実を集め、そこからニーズを抽出しましょう。院長の想像で考えたニーズより、患者さんから実際に出てきた事実のほうが、同じ悩みを持つ人に届くからです。
集める事実は、次のとおりです。
| 集める場所 | 集める事実 |
|---|---|
| 問診の内容 | 来院のきっかけ、困っている場面、いつから悩んでいるか |
| 初回と施術中の会話 | 仕事や家事で困っていること、良くなったらしたいこと |
| 来院の記録 | 来院の回数と間隔、選んだメニュー、1回あたりの単価 |
| 口コミやアンケート | 院を選んだ理由、通って良かったこと |
集めた事実を並べ、「この人は、何に困って、何をかなえたくて院に来ているのか」を悩みと望みの形で書き出します。同じ事実が、ほかの患者さんにも当てはまるかを見ておくと、多くの人が持つニーズかどうかが分かります。
③ 響いたベネフィットと独自性を確認する
ステップ②で見えたニーズに対して、院のどのベネフィットとどの独自性が、その患者さんに響いたのかを確認しましょう。患者さんが実際に価値を感じた強みこそが、同じニーズを持つ人にも選ばれる理由になるからです。
確認するには、ステップ②で集めた事実に加えて、患者さんに直接聞くのが確実です。
- たくさんある院の中から、なぜこの院を選んだのか
- 通い続けている理由は何か
- 友人に紹介するとしたら、この院のことをどう説明するか
「仕事帰りに通えるから」と答えた人にはベネフィットが、「デスクワークの人をたくさんみているから」と答えた人には独自性が響いています。院長が強みだと思っていたことと、患者さんが価値を感じていたことが違うこともあります。キャッチコピーには、患者さんが価値を感じていたほうを使います。
④ 客観的な事実で裏づける
ステップ③で確認したベネフィットと独自性を、数字や経歴などの客観的な事実で裏づけましょう。事実で示された強みは、初めて院を知る人にも信じてもらえるからです。
裏づけに使える事実の例は、次のとおりです。
- 施術してきた人数(のべ人数、年間の人数)
- 院長の経験年数や、施術をしてきた分野
- 特定の悩みの患者さんが多いこと(デスクワークの人、スポーツをする学生など)
- 開院してからの年数
- 夜の受付時間や駐車場など、通いやすさの事実
「デスクワークの人をたくさんみている」なら、「デスクワークの人の首と肩の施術を、10年でのべ3万人行ってきた」のように、数字で言える形にします。数字は、予約の記録や顧客台帳から数えて、根拠を説明できるようにしておきましょう。
⑤ 伝えたいことを1つのメッセージにまとめる
ここまでで出てきた伝えたいことを並べ、それらをできる限りまとめて、打ち出せる1つのメッセージを見つけましょう。伝えたいことが2つ3つ4つと並んだままの一文は、どれも伝わらなくなるからです。
大切なのは、どれか1つを選んで残りを捨てることより、たくさんある伝えたいことを1つにまとめられないかを考えることです。たとえば、次の4つの伝えたいことがあったとします。
- 夕方になると首が重く、仕事に集中できない人が多い
- デスクワークの人の首と肩を、10年でのべ3万人みてきた
- 平日21時まで受け付けている
- 1回30分で施術できる
この4つは、「夕方の首の重さを、仕事帰りに相談できる院」という1つのメッセージにまとめられます。まとめたメッセージをキャッチコピーにし、メッセージを支える事実は、キャッチコピーのすぐ下に置くサブコピーで伝えます。
⑥ 案を書いて患者さんに選んでもらう
まとめたメッセージをもとにキャッチコピーとサブコピーの案を書き、理想に近い患者さんに選んでもらいましょう。院長が良いと思う一文と、患者さんが自分のことだと感じる一文は、違うことが多いからです。

案は、どの材料から書き始めるかを変えると、違う切り口のものが出てきます。
| 書き始める材料 | キャッチコピーの例 | サブコピーの例 |
|---|---|---|
| 悩み | 夕方、首が重くて仕事が手につかない方へ | デスクワークの方の首と肩を10年でのべ3万人。平日21時まで受付なので、仕事帰りに通えます |
| 望み | 夕方まで首を気にせず、仕事に集中できる毎日へ | 夕方に首が重くなるデスクワークの方を、10年でのべ3万人みてきました |
| 事実 | デスクワークの方の首と肩を、10年でのべ3万人みてきました | 夕方の首の重さを、仕事帰りに相談できる整骨院。平日21時まで受付 |
5案から10案ほど書き、院長が3案に絞ったら、理想に近い患者さん5人に「どれが自分に向けた言葉に感じるか」を聞いてください。最も多く選ばれた案は、同じニーズを持つ多くの人にも届く一文です。キャッチコピーの長さは、スマートフォンで2行以内、30字前後を目安にしましょう。ホームページの最初の画面で、一目で読める長さだからです。
整骨院・整体院のキャッチコピーで守るルール
整骨院・整体院のキャッチコピーには、ほかの業種にはない決まりがあります。使える場所と、書いてはいけない表現の2つを守ってください。決まりを破ると、行政から指導を受けるおそれがあるうえに、患者さんからの信頼を失うからです。
使える場所
整骨院のチラシや看板には、症状や効果を伝えるキャッチコピーは書けません。柔道整復師法で、広告に書ける事項が、柔道整復師であること、院の名前や所在地、施術日と施術時間などに限られているからです。「肩こり」「腰痛」のような症状や、施術の効果は、広告には書けない事項です。
| 使う場所 | 整骨院 | 整体院 |
|---|---|---|
| チラシ、看板、広告から人を集めるページ | 症状や効果のキャッチコピーは書けない | 書けるが、症状への効果を示す表現や、国家資格と誤解される表現は避ける |
| ホームページ | 書ける。ただし、書いてはいけない表現は避ける | 書ける。ただし、書いてはいけない表現は避ける |
院のホームページは、患者さんが自分で検索して見に来るものなので、原則として法律上の広告に当たりません。そのため、整骨院がキャッチコピーでニーズと提供価値を伝える場所は、ホームページが中心になります。ただし、リスティング広告やSNS広告から人を集めるページは、広告として扱われます。どこからが広告になるのかは、整骨院・整体院のホームページはどこから広告規制に引っかかるのかでくわしく説明しています。
書いてはいけない表現
ホームページでも、次の表現はキャッチコピーに使わないでください。厚生労働省の「あはき・柔整広告ガイドライン」で、ホームページに掲載すべきでない事項として示されているからです。
| 書いてはいけない表現 | 例 |
|---|---|
| 治る、効くと言い切る表現 | 「必ず治る」「根本から改善」「どこへ行っても治らなかった方、諦めないで」 |
| 満足度や改善率の数字、No.1 | 「満足度98%」「地域No.1」「口コミで1位」 |
| あおる表現と、安さの強調 | 「今すぐ来院を」「初回980円」 |
| 国家資格と誤解される表現(整体院) | 国家資格の施術であるかのような肩書きや表示 |
ステップ④で使う客観的な事実は、これらの表現と区別して考えてください。「のべ3万人をみてきた」は院がこれまでにしてきたことの事実で、効果や他院より優れていることを言い切る表現とは違うからです。事実を書くときは、数字の根拠を説明できるようにしておきましょう。
整骨院・整体院のキャッチコピーについてよくいただく質問
ターゲットを絞ると、来る患者さんが減りませんか?
本質的なニーズを具体的に捉えたキャッチコピーは、同じニーズを持つ多くの患者さんに届くので、来る患者さんはかえって増えます。ステップ①で1人を選ぶのは、具体的なニーズを見つけるためです。そのニーズを持つ人は地域に大勢います。キャッチコピーに合わない悩みの患者さんも、ホームページのほかのページを見て来院します。
キャッチコピーとコンセプトの違いは何ですか?
コンセプトは院の設計図で、キャッチコピーはその設計図を一文で伝える言葉です。コンセプトは「誰に何を届ける院か」を決めたもので、院の中で共有するためのものです。キャッチコピーは、そのコンセプトを見込み客に伝えるための言葉です。コンセプトが決まっていないなら、キャッチコピーより先にコンセプトを決めましょう。
整骨院の看板には何を書けばいいですか?
整骨院の看板には、院の名前、柔道整復師であること、施術日と施術時間など、法律で決められた事項を書きましょう。症状や効果を伝えるキャッチコピーは書けないので、看板では院の存在に気づいてもらうことを優先し、ニーズと提供価値はホームページで伝えます。看板の作り方は、整骨院・整体院の看板で集客する方法で説明しています。
キャッチコピーは一度決めたら変えないほうがいいですか?
ターゲットやコンセプトが変わらない限り、キャッチコピーは変えずに使い続けましょう。同じ一文を使い続けることで、院の印象が地域に定着するからです。ただし、ホームページからの予約が3か月続けて増えないときは、ステップ⑥に戻って、ほかの案を試してみてください。
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柔道整復師歴3年、コンサルタント歴9年、93社を支援した代表が全案件を担当



代表の松澤は、柔道整復師(平成24年取得)として接骨院で3年間、施術の現場に立ちました。その後、マーケティング支援会社のコンサルタントとして9年間、93社の集客を支援し、年間延べ4,000件のコンテンツ制作を支援してきました。セミナーの登壇は30回以上です。施術の現場とマーケティングの両方を知る代表が、最初のご相談から支援の最後まで、直接担当します。
AI検索における1位推薦率77.1%、新規予約は約2.6倍


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岩手県矢巾町の整体院は、口コミ37件で、口コミが177件の院を抑えて「矢巾 整体院」のGoogleマップで1番目に表示されています。近隣7エリアで上位に表示され、広告費0円で、新規集客は月30件以上です。
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