公式ブログ治療院専門情報公開更新

治療院のLLMO対策は必要か。発注前に聞くべき5つの質問

松澤 大輔執筆者松澤 大輔株式会社ネイク 代表取締役

「LLMO対策をしないと、AI検索の時代に取り残されます」

制作会社やセミナーでそう言われ、提案書を手元に置いたまま、判断がつかないでいるのではないでしょうか。

じつは、その提案が妥当かどうかは、5つの質問で見分けられます。

なぜなら、AI検索に表示されるために必要なことは、Googleが公式に公開しているからです。何が必要で、何が必要でないかが、すでに答え合わせできる状態にあります。ところが治療院に届いている提案の多くには、Googleが「必要ない」と名指ししている項目が入っています。

ここでは、Googleが不要としている項目と、発注前に業者へ聞くべき5つの質問をお伝えします。

私が支援した東京都足立区の接骨院は、AIに「足立区で足首の捻挫を治してくれるところはどこ?」と聞かれたとき、1番目に推薦されます。そして実際に、足首を捻挫した子どもが来院しました。そのほかの狙ったプロンプトでも、ほぼ全てで1位推薦を獲得しています。この院は、LLMO対策として売られているものを、ひとつも実施していません。かけた広告費も0円です。

読み終えていただければ、目の前の提案を受けるか断るか、その場で判断できるようになるでしょう。

それでは、さっそく見ていきましょう。

AI検索への対応はいますぐ始めよ

そもそも論として、AI検索への対応はいますぐ始めるべきです。

なぜなら、AIを使う人がこの1年で倍以上に増え、聞き方まで変わり、実際にAI検索から来院が起きているからです。ただし、始めるにあたって1つだけ注意点があります。対応の中身を間違えると、手を打っても患者さんは増えません。

順に見ていきましょう。

日本人の6割が、すでに生成AIを使っている

生成AIを使っているのは、もう一部の人ではありません。

なぜなら、この1年で利用者が倍以上に増えたからです。総務省の令和8年版情報通信白書によると、日本の生成AI利用率は次のように推移しています。

年度 生成AI利用率
2023年度 9.1%
2024年度 26.7%
2025年度 58.8%

1年で32.1ポイント上がりました。しかも、若い人だけの話ではありません。40代で49.0%、50代で44.2%、60代でも33.5%が使っています。

そして利用目的の1位は「情報の理解」で33.7%です。文章を書かせるためではなく、調べるために使われています。

つまり、調べものの手段としてAIを使う人が、1年で倍以上に増えたということです。

患者さんの聞き方が、検索から会話に変わっている

聞き方そのものも変わっています。

なぜなら、AIには文章で聞けるからです。Googleは2026年5月、AI Modeについて次の数字を公表しました。

  • 月間アクティブユーザーが10億人を突破した
  • AI Modeの検索数は、公開以来、四半期ごとに2倍以上のペースで増えている
  • 平均的なAI Modeの検索文は、従来の検索の3倍の長さがある

3倍の長さというのは、「足立区 捻挫」ではなく「足立区で足首の捻挫を治してくれるところはどこ?」と聞かれるようになった、ということです。

キーワードを打ち込む相手から、相談を持ちかける相手へ。患者さんにとっての検索の意味が変わりつつあります。

そして、AI検索から実際に患者さんは来ている

AI検索は、すでに患者さんが院を選ぶ経路になっています。

なぜなら、AIは聞かれ方を選ばず、具体的な院名を挙げて答えるからです。エリアを指定してもしなくても、症状名で聞いてもカテゴリ名で聞いても、名前が挙がります。

例えば、先ほどの足立区の接骨院は、次の3つの聞かれ方すべてで1番目に推薦されます。

足立区で足首の捻挫を治してくれるところはどこ?
足立区で野球肘に強い接骨院はどこ?
都内でスポーツ障害に強いおすすめの接骨院は?

「おすすめの」という主観的な聞き方をしても同じです。そして実際に、この院には足首を捻挫した子どもが来院しています。

使う人が増え、聞き方が変わり、来院につながっている。ここに対応しないという選択肢はありません。

ただし、対応の中身を間違えると、患者さんは増えない

対応の中身を間違えると、どれだけ手を打っても患者さんは増えません。

なぜなら、AI検索への対応と呼ばれるものには、性質のまったく違う2つが混ざっているからです。テクニックと、本質です。

中身
テクニック 検索エンジンやAIに向けた施策。時代とともに変わる
本質 患者さんが何に困っているかを掴み、自院が何をしているかを伝えること。変わらない

私が10年以上この仕事をしてきて、繰り返し確認してきたことがあります。それは、本質は変わらないということです。変わるのはいつもテクニックのほうです。そして「LLMO」という言葉で売られているものの多くは、テクニックの側に属しています。

本質の側にあたるものを、症状ごとのページでどう形にするかは、治療院の集客を倍増させる症状ページのテンプレート【5つの要素】にまとめています。

テクニックの話が入ってくると、打ち合わせはこうなります。

構造化データが大事らしいから〜
トピッククラスターが大事らしいから〜
FAQを入れた方がいいと聞いたから〜

語尾を見てください。「らしいから」「と聞いたから」。出所が自分の外にあります。こうした言葉が並び始めると、患者さんにとって価値があるかどうかという、ど真ん中の議論ができなくなります。そこが一番大事なのに、です。

院長の時間は有限です。施術という本業があるからです。その限られた時間を、変わるものと変わらないもののどちらに配るのか。患者さんが増えるかどうかは、ここで決まります。

AI検索対応で不要なものは、Googleが名指ししている

AI検索対応のために不要なものは、実施しないでください。

なぜなら、何が必要で何が必要でないかは、すでにGoogleが公開しているからです。ここを先に片づければ、判断すべきことが減ります。

Googleは「特別な最適化は必要ない」と明言している

AI検索のために、新しく用意すべきものはありません。Google自身がそう書いています。

検索セントラルの記述は、次のとおりです。

AI OverviewsやAI Modeに表示されるための追加要件はなく、その他の特別な最適化も必要ない

Google 検索セントラル

追加要件はない、と言い切っています。求められているものが増えていない以上、AI検索のために新しく覚えることもありません。

Googleが「必要ない」としている4つ

Googleは、不要なものを具体的に挙げています。

項目 Googleの記述
llms.txt などAI向けの特別なファイル 作る必要はない。害はないが、役にも立たない
AI向けの構造化データ 生成AI検索に必須ではない。特別なマークアップも不要
コンテンツを細かく区切る(チャンキング) 要件はない。複数の話題のニュアンスは理解できる
AI向けの特別な書き方 特定の方法で書く必要はない

この4つに、時間もお金も使う必要はありません。たとえば提案書に入っていたなら、見積もりから外してもらえば金額が下がります。自分でやろうとしていたなら、その作業ごと省けます。

一方、Googleが必要だとしているものは2つだけです。ひとつは検索の技術要件を満たすこと。インデックスされていて、クロールが許可されている状態です。もうひとつが、独自の視点があること、一人称の体験に基づいていることです。

後者は、AI検索が登場する前から言われ続けてきたことと同じです。

LLMO関連サービスを発注する前に聞くべき5つの質問

業者に頼むかどうかは、この5つの質問で判断できます。

5つすべてに納得できる答えが返ってきたら、その相手に任せて構いません。1つでも答えが濁ったら、いったん見送ってください。良い提案なら受けるべきですから、断るために聞くのではありません。決めるために聞きます。

迷ったときは、3つ目の質問の答えだけで決めてください。あなたの時間を求めてくる提案は、中身を取りに来ています。

確かめているのは1点だけです。その業者が、あなたの院にしかない情報を引き出して、ページに載せる気があるかどうか。それを5つの角度から見ます。

Q1. これをやらなかった場合、どうなりますか

回答 判定
「取り残されます」「いま始めないと手遅れです」で終わる 見送る
早く着手すべき理由を示したうえで、自院の目的と使えるリソースに応じた優先順位まで答える 次へ

早く動いたほうがいいのは事実です。患者さんの探し方がAI検索に移っているのは、私自身が現場で見ています。急ぐこと自体は、まったく間違っていません。

見るべきはその先です。同じ「早く」でも、何を目的にしていて、どれだけの時間とお金を割けるかで、やるべき順番は変わります。そこに触れずに焦らせるだけの相手は、あなたの院を見ていません。見ているのは、契約だけです。

Q2. この提案の成果は、何で測りますか

回答 判定
露出や表示回数、検索順位だけを挙げ、予約や来院に触れない 見送る
予約数と来院数を最終指標に置き、その手前の指標として露出や順位も見る 次へ

露出も順位も、測ったほうがいい指標です。動きが早く出るので、途中経過を把握できます。

足りないのは、そこで止まる場合です。最終的に測るものが予約でないなら、予約が1件も増えなくても「成果は出ています」と言えてしまいます。順位が上がったのに予約が増えないとき、次に何を見直すのかまで答えられる相手を選んでください。

Q3. 私は、何時間、何を話すことになりますか

回答 判定
「お任せください」「お手間は取らせません」 見送る
「初回に2時間、施術の考え方とこれまでの症例を伺います」など、時間と内容が具体的に出る 次へ

手間がかからない提案ほど危ない、と考えてください。

理由は単純です。中身になる情報が、院内にしかないからです。

どんな考え方で施術しているのか。なぜその方法を選んでいるのか。何人を施術してきて、資格を取るのに何年かかったのか。あえてやっていないことは何か。教科書ではこうなっているのに、現場では違ったこと。これらは調べても出てきません。院長の頭の中にしかありません。

だから、院長が1分も関わらない提案から出てくるのは、調べれば誰でも書ける情報だけになります。症状の説明、一般的な原因、一般的な対処法。同じことが他院のページにも書いてあります。読んだ患者さんは、どちらを選ぶ理由も見つけられません。

「お任せください」と言いたくなる事情も分かります。院長の時間をもらうには手間がかかりますし、業者からすれば取材なしで量産できたほうが利益は出ます。ただ、それは業者側の都合であって、あなたの院の予約が増える理由にはなりません。

逆に、時間を求めてくる提案は信頼していいと考えてください。取材の工程を組んでいるということは、あなたの院にしかない情報を取りに来ているということです。

なお、文章を書く作業まで引き受ける必要はありません。話すだけで構いません。院長が話し、業者が文章に起こす。この形なら、負担は取材の時間だけで済みますし、中身はあなたのものになります。

Q4. そのページは、誰が読んで、読み終わったあとどうなっていればいいですか

回答 判定
検索順位やアクセス数の話になる。「幅広い方に見ていただきます」で止まる 見送る
読む人を特定し、読み終えたあとの状態を具体的に言える 次へ

コンテンツは、読んだ人の状態を変えるために作ります。どんな状態になってほしいかが決まっていなければ、何を書くかも決まりません。

「ぎっくり腰になったばかりで、動くのが怖い方が、来院前に何をされるか分かって予約できる状態」。ここまで言える相手は、設計をしています。「幅広い方に見ていただく」で止まる相手は、まだ何も決めていません。決まっていないまま作られたページは、誰にも刺さりません。

Q5. 支援した院は、いまどんな質問の仕方で選ばれていますか

回答 判定
答えられない。順位や件数の話に逃げる 見送る
「◯◯区で△△に強い接骨院はどこ?」など、具体的な質問文が出てくる 次へ

この質問の良いところは、その場で確かめられることです。

出てきた質問文を、自分のスマートフォンで打ち込んでみてください。本当にその院が推薦されるなら、実績は本物です。

5つの答えが揃えば、あとは決めるだけ

判断の材料が揃ったら、あとはあなたが決断するだけです。

ぜひ本記事が参考になれば幸いです。

マーケティングの成果を倍増させたいとお考えではありませんか?

マーケティングの成果を倍増させたいとお考えではありませんか?

マーケティングの成果を倍増させるためには、マーケティングの設計からスタートしなければいけません。あなたの情熱や強みを言語化し、需要と結びつけ、戦略を設計し、施策と連動させる一連のプロセスが必要です。

そして、その中心にあるのが「コンテンツ」です。ユーザーにとって本当に価値のある『良質なコンテンツ』の存在が、ビジネスの成果を中長期的に飛躍させてくれるからです。

ご状況をお聞かせいただければ、私たちがこれまで培ってきた支援実績や経験、ノウハウに基づいて、今のあなたにとって最適な提案をさせて頂きます。以下のボタンよりお気軽にご連絡ください。