あなたは、良質なコンテンツが重要だとわかっていながらも、その定義が何か?と聞かれたら明確に答えられないのではないでしょうか?
また、自分では良質なコンテンツだと思っているものが、上司や同僚、コンサルタントから「良質なコンテンツではない」と一刀両断され、立ち往生しているのではないでしょうか?
あるいは、制作会社との打ち合わせやセミナー、クライアントワーク、社内の会議で「良質なコンテンツを作ろう」と言っているものの、その定義が曖昧で、誤魔化しながら過ごしてきたのではないでしょうか?
私は、過去約10年間に渡ってコンテンツマーケティングの分野に身を置き、多い時は年間延べ4,000件前後のコンテンツ作成に携わってきました。累計500名前後のライター、マーケター、経営者からご相談をいただき、「良質なコンテンツとは何か?」をお伝えしてきました。
最近、「コンテンツの時代は終わった」「コンテンツの価値が薄れている」といった声が多いようですが、それはコンテンツの一側面しか見ていないからです。例えば「SEO」に固執している人や、過去に「ブログ」の恩恵を受けてきた人は、「コンテンツの時代は終わり」と決めつけている傾向にあります。
コンテンツとは、SEOのために存在しているものではありません。コンテンツ=ブログでもありません。
コンテンツの定義が曖昧だから、そういった認識の乖離が発生するのです。この乖離は企業や商売人にとって大問題です。コンテンツはマーケティングの中心であり、良質さを求めることは企業にとって重要な課題だからです。
今回は、私が考える良質なコンテンツの定義を紹介します。
良質なコンテンツとは
弊社では、良質なコンテンツを以下のように定義しています。
良質なコンテンツは100%ユーザーのためのものです。作り手側の意向や目標は関係ありません。SEOで上位に上がろうが、コンバージョン目標を達成しようが、売上が増大しようが、それは良質なコンテンツかどうか?という議論とは全く関係しません。
ユーザーにとってどうかが全てです。良質なコンテンツを作った結果、そういう結果が出ることもあるし、出ないこともある。そういうものです。
「向上させるもの」と定義していますが、ここには「モノ」も「コト」も両方含まれます。形あるモノだけでなく、形のないコト(体験)も含まれます。私は、世の中のあらゆるユーザーとの接点がコンテンツである。と理解しています。身振り手振りや、空気感、オーラなんかもコンテンツです。
私はユーザーの人生を「深さ」「長さ」の2つに見立てて整理しています。つまり、良質なコンテンツの条件は次の2つです。
- 顕在ニーズだけでなく、潜在ニーズを満たすこと
- 短期的なニーズだけでなく、長期的なニーズを満たすこと
| 軸 | どこまで満たすか |
|---|---|
| 深さ | 顕在ニーズ → 潜在ニーズ |
| 長さ | 短期的なニーズ → 長期的なニーズ |
深さと長さの両面を満たすことが、その人の人生の質を向上させるということであり、良質なコンテンツの条件です。
順番に見ていきましょう。
顕在ニーズだけでなく、潜在ニーズを満たす

顕在ニーズとは、ユーザー本人が自覚している願望で、言葉にできるし、聞けば答えてくれるような表面的なニーズを指します。一方、潜在ニーズは、本人が自覚していない真の願望を指します。
| 顕在ニーズ(例) | 潜在ニーズ(例) |
|---|---|
| 10日で10kg痩せたい | 健康的な身体を作るために、方法を見直したい |
| このキーワードで1位になりたい | 上位表示されるくらいの価値があるコンテンツを作れるようになりたい |
顕在ニーズだけに応えると、どうなるでしょうか。「10日で10kg痩せたい」に真面目に応えようとすれば、極端な食事制限を並べることになります。ユーザーは望んだ情報を得られますが、身体は壊れてしまうでしょう。要求には応えているものの、人生の質は下げています。
そしてもうひとつ、潜在ニーズは本人の口から出てきません。腰が痛くて治療院に行く人を考えてみてください。例えば「腰を揉んでほしい」と要求を出す場合、これを顕在ニーズと呼びます。
ところが施術者が股関節の可動域を確かめて、痛みの出どころが腰ではないと分かることがあります。この人が本当に必要としていたのは股関節への施術で、それが潜在ニーズにあたります。
本人に聞いても、絶対に出てきません。自覚していないものを、言葉にすることはできないからです。
ですから潜在ニーズは、作り手側が、その分野で積んだ経験から掘り当てるしかありません。それがどんぴしゃでユーザーの核心に触れ、気付かされ、本当に良好な結果が得られたとしたら、本人は最高に喜んでくれることでしょう。
短期的なニーズだけでなく、長期的なニーズを満たす

短期的なニーズとは、いますぐ解決したい目の前のニーズを指します。長期的なニーズは、その先で手に入れたい状態を指します。
さきほどの腰の話を続けましょう。
| 短期的なニーズ | 長期的なニーズ |
|---|---|
| いまの痛みを取ってほしい | 痛みが再発しない身体になりたい |
目の前の痛みが取れれば、その日は満足するでしょう。ただ、3か月後にまた同じ痛みで戻ってくることになれば、長期的なニーズは満たしていないことになります。
厄介なのは、短期を満たすことが長期を損なう場合があるという点です。強い刺激で一時的に楽にする、極端な食事制限で一時的に体重を落とす。目の前の要求には応えていますが、その人の身体はその先で悪くなる可能性があります。良かれと思ってやったことが、人生の質を下げてしまうわけです。
※この考え方を実際のホームページ改修に当てはめた事例は、こちらのページで公開しています。
以上が良質なコンテンツの定義ですが、もっと理解を深めていただくために「悪質なコンテンツ」との違いも説明します。
良質なコンテンツと悪質なコンテンツの違い
違いは、ユーザーの人生を向いているか、作り手の利益を向いているかです。表をご覧ください。
| 良質なコンテンツ | 悪質なコンテンツ | |
|---|---|---|
| 向いている方向 | ユーザーの人生 | 作り手の利益 |
| 立てている問い | どれだけ人のニーズを満たせるか | どれだけ人のニーズを利用できるか |
| 満たすニーズ | 短期も長期も満たす | 短期だけを満たす |
| 長期に起きること | 人生の質が上がる | 人生の質が下がる |
| 満足度 | 高く出る | さらに高く出ることもある |
良質なコンテンツは前述した通りですからもう大丈夫ですよね。
悪質なコンテンツは、作り手の利益のために、人のニーズ(短期的欲求)を利用して作られたコンテンツです。まあ、想像通りの定義です。
定義自体はこの通りなのですが、厄介なのは、「悪質なコンテンツが悪意から生まれるとは限らない」ということです。この点について説明します。
まずコンテンツを作ろうとすると、たいていは「いま自社にある資源を、どう組み合わせたら売れそうなものになるか」という、ごく普通の問いから生まれます。ポイントは「自社にあるもの」から問いが始まっている点です。
すると、次にやることが自動的に決まります。それに合う相手を後から探す作業です。
本来はニーズを満たすために作るはずが、順番が逆になって、すでにあるものを売るためにニーズのほうを探しにいくことになります。要するにプロダクトアウトの発想に傾いてしまうのです。
そして、探し当てたニーズが、そのまま買う理由になってくれるとは限りません。足りない部分は、こちらで補うことになります。
すると、焦り、不安、いま動かないと損をするという感覚。相手がもともと持っている感情を、買わせるために利用します。問いが入れ替わるのは、この瞬間です。
「どれだけ人のニーズを満たせるか」ではなく「どれだけ人のニーズを利用できるか」になっていて、行き着く先は「いかに射幸心を煽るか」になってしまうわけです。射幸心とは、短期的なニーズそのものです。
そうして出来上がるのは、事実ではなく虚説です。元々は悪意がなかったはずが、出来上がるのは悪質なコンテンツです。
さらに厄介なのが、悪質なコンテンツでも、短期的には高い満足を提供してしまう可能性があることです。
「10日で10kg痩せる」と書けば売れるでしょうし、極端な食事制限を並べれば体重も実際に落ちるでしょう。短期的なニーズには、これ以上ないほど完璧に応えていますから、その時点で消費者に満足度を聞けば「満足」と答えるはずです。
言い換えると、コンテンツの質は測ろうと思っても測れるものではないということです。
上位表示すれば質が高い、PVが集まれば質が高い、売上に繋がっていれば質が高い。そういった判断はできません。作り手が自分で採点した時点で、それは作り手にとっての点数でしかないですし、消費者に聞いたとしても本音は誰にも(本人にも)わからないからです。
そのコンテンツが良質かどうかは、未来のユーザーの本音を聞いてみるしかありません。何年か経って振り返ったときに「あのコンテンツに出会ってよかった」と思えるもの。それが、良質なコンテンツです。
コンテンツの4つの分類
コンテンツの質を正確に判断することはできませんが、善意を持って良質なコンテンツを目指すことはできます。そして、良質なコンテンツを目指す過程にいくつかのハードルがあり、それによってコンテンツは大きく4つに分類されます。
| 短期的なニーズだけ満たす | 長期的なニーズまで満たす | |
|---|---|---|
| 潜在ニーズまで満たす | 深いコンテンツ | 良質なコンテンツ |
| 顕在ニーズだけ満たす | 普通のコンテンツ | 便利なコンテンツ |
それでは、順に見ていきましょう。
普通のコンテンツ
求められたことに、求められたとおりに応えるコンテンツです。
腰が痛いと言われたので腰を揉んで、その日の痛みを取って帰すようなものです。相手は満足しますし、損もしません。それでも3か月後にはまた同じ痛みで戻ってくるわけで、その人の人生は何も変わっていません。
普通のコンテンツには、クレームが来ません。 求められたことには応えていますから、満足度を聞けばそれなりに高い評価になるかもしれません。作り手の側からは、うまくいっているように見えてしまうのが問題です。波風を立てることはありませんが、成長もありません。
当然ですが、「普通のコンテンツでいいや」と思ってしまうと、その後の問題に発展してしまいます。なぜなら人間は必ずミスをするからです。求められたとおりに応えるつもりでも、調べ漏れや説明不足はどうしても混じります。そうなると、求められたことにすら応えられていない状態になり、小さな不満が積み上がっていきます。この積み重ねがクレームへと発展してしまうのです。普通のコンテンツは「低品質なコンテンツ」と表裏一体です。
便利なコンテンツ
求められたことを、持続的に応えるコンテンツです。
腰の例で続けましょう。「揉んでくれ」と言われてその場で揉む、「腰に負担のかからない座り方を教えてくれ」と言われて座り方を教える。それを延々と続けていくような状態です。従順な言いなりです。相手にとって都合がよく、長い間をかけて言うことを聞いてくれる存在です。相手の目線に立てば「便利なコンテンツ」であるのは間違いありません。
それでも、痛みの出どころが股関節にあることには、いっさい触れていないわけです。
真の問題を発見し、提案し、気付きを与え、本当に問題解決に繋げていくのがプロの仕事ではないでしょうか。その視点がなければ、単なる便利なコンテンツで終わってしまいます。
深いコンテンツ
本当に必要なことを掘り当てて、そこで止まった状態です。「それっぽいコンテンツ」と言ってもいいかもしれません。
痛みの出どころが股関節にあると伝えて、その場の痛みを取る。深さでは、ひとつ前の便利なコンテンツを上回っています。ところが、再発しない身体になるところまでは到達していません。
良いことを言っているのに成果が出ないコンテンツは、たいていこのパターンです。そのコンテンツに触れた人は「なるほど!そう来たか!」と膝を叩くでしょう。それでも、ユーザーの行動が変わるわけではありません。行動が変わらなければ、結果にはつながりません。掘り当てた側にも手応えがあるので、うまくいっていると錯覚しやすいのも問題です。「で、結局ユーザーは今後のためにどうすればいいの?」と自問自答してください。答えられなければそれは「深いコンテンツ」にとどまっている証拠です。
良質なコンテンツ
これらのハードルを乗り越えたのが、良質なコンテンツです。もう説明は不要だと思いますので、その先の話をしましょう。実は、良質なコンテンツには、さらに上のレベルが存在します。素晴らしいコンテンツと、革新的なコンテンツです。価値が届いた「範囲」によって3つに分類されます。
| 呼び名 | 価値が届いた範囲 |
|---|---|
| 良質 | 目の前のその人に届いた |
| 素晴らしい | 同じ条件を持つ人すべてに届いた |
| 革新的 | 社会の前提が変わるところまで届いた |
素晴らしいコンテンツは、一人のために掘り当てた潜在ニーズが、同じ条件を持つ人すべてに当てはまったものです。
シャンプーのボトルの側面にある刻みが、その例です。ご存知ない方は、自宅のシャンプーボトルを触ってみてください。シャンプーには刻みがあり、リンスには刻みがありません。これは1989年に花王へ届いた「シャンプーとリンスの容器が同じで紛らわしい」という声から生まれ、目の不自由な方の声をもとに作られました。ところが、洗髪中に目を閉じている人は全員、同じ条件の中にいます。つまり、一人のために深く掘った結果が、その深さにいた全員に当てはまった実例です。(出典:花王|シャンプーのきざみに込められた思い)
革新的なコンテンツは、社会全体が持っていた潜在ニーズを満たして、前提そのものを書き換えたものです。
ウィキペディアが、その例です。1768年創刊のブリタニカ百科事典が2012年に書籍版の終了を発表したのは、「百科事典は買うものだ」という前提が消えたからです。多くの人々は「百科事典を買いたかった」のではなく、「百科事典を見たかった」のです。ウィキペディアの登場によってその前提が書き換わるに至りました。ここで見ておきたいのは、ウィキペディアがブリタニカより正確なものを作ろうとしたわけではない、という点です。品質の勝負ではなく、満たしているニーズの層が違っていたのです。
とはいえ、この2つは狙って作れるものではありません。
まず目の前の一人のユーザーにとって、最高の価値を提供する「良質なコンテンツ」を作ることから始めましょう。
良質なコンテンツを作る方法
良質なコンテンツを作るための方法は次の5つのステップです。
| ステップ | 決めること | 決める中身 |
|---|---|---|
| 1 | 対象となるセグメントを決める | 誰に届けるのか |
| 2 | 対象ユーザーの状況を設定する | 変化の起点 |
| 3 | 対象ユーザーのゴールを設定する | 変化の終点 |
| 4 | ストーリーを組み立てる | プロセス(主張と根拠) |
| 5 | 表現をブラッシュアップする | 届く形にする |
上から順に決めていきます。ただし、5つが独立しているわけではありません。これがまた難しいのですが、全てを統合してコンテンツを組み立てていかなければいけません。つまり「一貫性」が必要です。ただ、「一貫性が大事だ」と伝えて、そういうコンテンツが出来上がることは稀です。たいてい、どこかで論理破綻が起きたり、異なるゴールに向けて発信してしまったり、対象ユーザーにとってわかりにくい表現になっているものです。
決して簡単ではありませんが、訓練すればどんどんできるようになるのがコンテンツ作りの面白いところです。(情熱があれば、の話ですが。)
それではステップ1から見ていきましょう。
ステップ1:対象となるセグメントを決める
まずは対象となるセグメントを決めましょう。よく、セグメンテーション、ターゲティングと言いますが、この2つを指しているとお考えください。要するに、どの層に向けてコンテンツを発信するかを決めてください。
セグメントを徹底的に分解していくと、いわゆる「ペルソナ」が出来上がります。私個人としてはペルソナ不要派なので、そこまで細かく決める必要はないと思っています。ペルソナは、組織として共通認識を持つためにあったらいいものであって、作る本人が責任を持って最後までやり遂げる前提であれば、そこまで決めなくてもいいのでは?と思っています。私の中では、必要ではないがあったらあったでいい。という位置付けです。
それよりも、どうやって対象となる層を決めるかの方が重要です。その方向を決めるのが、次の3つの問いです。
| 問い | 見るところ |
|---|---|
| 誰をハッピーにしたいのか | 自社が本当に力になりたい相手は誰か |
| 誰をハッピーにできるのか | 自社の経験と実績で、実際に結果を出せる相手は誰か |
| 誰をハッピーにすべきなのか | 自社が引き受けるべき相手は誰か |
よくキャリア形成の文脈で活用される、「Will-Can-Must(ウィル・キャン・マスト)」のフレームワークを活用したものです。この3つが重なったところが、対象とすべきセグメントです。
当然ながら、そこには需要がなければいけません。2つ目、3つ目のステップを行き来しながら、そのセグメントに本当に需要があるのかどうかを見極める必要はあります。
ステップ2:対象ユーザーの状況を設定する
ステップ1で決めた「層(対象ユーザー)」が、いま置かれている状況を鮮明に描いてください。なぜなら、その人が何を求めるかを決めているのは、属性でも人物像でもなく、置かれている状況にあるからです。同じユーザーでも、砂漠にいるのか、繁華街にいるのかで、必要なものはまるで変わります。
誰が、いつ、どこで、何をきっかけに、それを求めるようになったのか?
その問題や課題が生じるに至った、具体的な状況を鮮明に描きましょう。
例えば「腰が痛い人」の場合、「日曜の17時に自宅で今まで経験したことがないほどのぎっくり腰になった。明日は朝9時から絶対に外せない重要な仕事があり、その前後で新幹線に1時間は乗り続けなければいけない。どうも今のぎっくり腰の状態が続けば、立ち上がることも、歩くことも、座ることもできなさそうだ。これを逃すと、1億円規模のプレゼンのチャンスが消えてしまう。もう日曜日が終わりそうだ。すぐにでも解決策を探さなければ。」といった状況を描きます。
ここまで状況を設定できれば、自ずとユーザーにとって必要なものが見えてくるはずです。
ステップ3:対象ユーザーのゴールを設定する
次に設定するのが、対象ユーザーのゴールです。前述した「状況」は、ユーザーの入口(起点)を意味します。
そして「ゴール」は、ユーザーの出口(終点)を意味します。この2つを設定することは、コンテンツの全体的な骨格を作ることと同じ意味を持ちます。コンテンツ作成に限らず、現状把握とゴール設定が重要であることはご理解いただけるはずです。それをコンテンツ作成でも当たり前のようにやるだけです。
そして、このゴール設定によって、コンテンツの質がある程度決まります。なぜなら、ゴールまでの距離はそのままユーザーの人生の変化量になるからです。ゴールには3つの段階があります。
| 段階 | 状態 | 価値 |
|---|---|---|
| 理解 | 知らなかったことが分かった | 0点 |
| 行動 | できなかったことができた | ここで価値が生まれる |
| 結果 | 目指していた結果が出た | 価値がある |
理解の段階で止まっているコンテンツは、例外なく0点です。分かっただけでは、ユーザーの人生は何も変化していないからです。そして先ほど見た長期的なニーズを満たせるのは、結果の段階だけです。
対象ユーザーにどんな結果を提供すべきかを決めてください。そのために取るべき行動も決めてください。それらをコンテンツのゴールとして設定してください。
ステップ4:ストーリーを組み立てる
起点(入口)と終点(出口)をつなぐ「ストーリー」を組み立てましょう。ある状況に置かれている対象ユーザーが、あるゴールを達成するために、あなたがユーザーに伝えるべきことはなんでしょうか?それを考えて構成するのがこのステップです。
ストーリーと言ってもイメージしにくいですよね。端的に言えば、主張と根拠を揃えることです。なぜなら、ユーザーを現状からゴールに向かわせるためには、コンテンツを通じて何かを主張(提案)する必要があるからです。そして、その主張を納得して行動に移してもらうためには、根拠が必要です。このロジックをコンテンツを作り始める前段階で組み立てましょう。
「根拠」というと、なんだか難しいエビデンスを提示しなければいけないと思う方が多いのですが、もっとシンプルに考えてください。結局のところ、ユーザーが納得するかどうかが全てだからです。小難しい客観的な根拠だけでなく、主観的な根拠(私はそう呼んでいます)でもOKです。
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| 客観的な根拠 | 一次情報、統計、公式見解、検証できる数字 |
| 主観的な根拠 | あなたの経験、現場での肌感覚、特定の事例 |
なんでもいいので、納得感を生み出しましょう。
1つの主張を納得してもらうためには、3つの根拠があるといい、とよく言いますよね。数は重要ではありませんが、わかりやすい目安だと思いますので、まずは3つの根拠を集めてみるといいでしょう。
ステップ5:表現をブラッシュアップする
ここまで来れば、あとは表現をブラッシュアップするだけです。
記事型のコンテンツであれば、結論から書く、図表を活用する、箇条書きを使うといった、わかりやすく伝えるための技法がこのステップで登場します。それが動画型のコンテンツなのか、はたまた「プロダクト」や「サービス」といった意味でのコンテンツなのかによって、活用すべき技法は異なることでしょう。ここから先は、一気に話が広がってしまうので割愛します。
このステップについて、1つだけ大事なことをお伝えします。
それは、世の中のコンテンツ作りの多くの発信が、「表現」のステップに偏っているということです。表現は表現で重要なのは当然そうなのですが、それより前段階にもっと重要なことがあります。対象ユーザーを模索して、ニーズを抽出して、ユーザーにとって最高のゴールを思考して、といったステップです。もっと言えば、そのさらに前段階の「良質なコンテンツの定義」の方が重要です。つまり、ユーザーに向き合う姿勢や、情熱のことです。
そう考えると、表現の巧拙で勝負がつくことは、ほとんどありません。表現が綺麗じゃなかったとしても、作り手の情熱が爆発したコンテンツの方が、ユーザーの心を動かすし行動を動かすし人生も動かしてしまうからです。
いつの時代でも良質なコンテンツは必要だ
AIの時代に突入してからというもの、何が正解なのかわからずに困っている経営者やマーケターは、意外と多いのではないでしょうか。
正直なところ、私もわかりませんし、わかっていそうな発信者を見ると、「それが正解なのかも」と思ってしまうこともあります。でもきっと、わかっていそうに見える人も、実はわかっていないんだろうとも思います。
そんななかで、私が確信しているのは「いつの時代でも良質なコンテンツは必要だ」ということです。
コンテンツの形は時代によって変わり続けますが、コンテンツそのものの必要性は変わりません。人間が欲を持ち、何かを求め続ける限りは、それに応える良質なコンテンツの必要性は無くならないはずです。
本コンテンツを参考に、何か一つでも気付きが得られ、行動が変わり、結果が変わることがあれば、それに勝る喜びはありません。振り返ったときに「このコンテンツに出会ってよかった」と思えることがあれば、その時はぜひ教えてください。

